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ピース / 樋口有介(中公文庫)

評価:
樋口 有介
中央公論新社
¥ 720
(2009-02)

 
田舎町で起きた

連続バラバラ殺人事件を巡る

ミステリー小説。


樋口氏の作品は始めて。

まず、とても文章が巧いヒトだと思う。

読み進めるごとに

後の展開へ

期待がどんどん膨らむよう

広げかたも すごく巧い。


なんだけどー

その・・・わりに

「んー。。。」

わりとあっけない括りかたで

少々 がっくし感は拭えないかな。


これが作風なのかどうかは

もうちょっと他作を試してみないと

計りかねるけれど。





2012.01.25 Wednesday | comments(0) | trackbacks(0)

どこから行っても遠い町 / 川上弘美(新潮文庫)

 
すこしずつ連鎖する短編小説集。


曖昧なタッチの中に

日常へにじむ悲しさや孤独や刹那や憤り。。。

そんな湿度の高い感情をふくませた

なんともいえない世界が広がる。

このヒトの得意な手法と思うが

途中まではキレが今ひとつな気がした。

ようやくしっくりきたのは最後の章。


生きていても、だんだん死んでゆく。
大好きな人が死ぬたびに、次第に死んでゆく。
死んでいても,まだ死なない。
大好きな人の記憶の中にあれば、いつまでも死なない。

いつか人間がこの世から途絶えてしまうまで
あたしも、平蔵さんも、源二さんも、生きている。
この町の、今ここにいる人たちにつらなる、だれかの記憶の奥底で。
そのだれかにつらなる、またほかのだれかの記憶の奥底で。

ちょうど近ごろ考えていたことで

「ああ。。。そうそう」

それこそアタマの中で曖昧だったことを

代弁してもらった…そんな感じ。


個人的にはタイムリーだったけど

川上文学とするならば

ちょっと苦戦してる風かな。。。






2012.01.07 Saturday | comments(0) | trackbacks(0)

蛇を踏む / 川上弘美(文春文庫)

評価:
川上 弘美
文藝春秋
¥ 440
(1999-08)

 
おそらく。。。。


質感で読み通してしまう本なのだろうなあ。

「なんの比喩か」

「現実性はどの部分か」

そうやって

うかうか分析しながら

余計な計算始めると

味わいきれなくなる気がした。

つまりは「さっぱりわかんねー」

でもー、コワきもち悪いのが

返っていい感じ。

それが好きか、きらいか。


文学っていろいろだなー。


分かって読みたいヒトには向かないけど

感じてみたいヒトには媚薬的な。。。感じ?




2012.01.06 Friday | comments(0) | trackbacks(0)

ヨーガンレールの社員食堂 / 高橋みどり(PHP)

 
クッキング仲間が貸してくれた一冊。

タイトル通り その社食の

1年に渡る献立紹介の本。

ベジタアリアンなヨーガンレールさんの趣旨通り

それをテーマに様々なメニューが考案されている。

正直なところ

あたしは菜食主義ということに

たいして興味がないので

それほど強烈な魅力はないのだが

手間のかかる野菜料理を

ていねいに作る厨房担当の方々に

「えらいなあ。。。」と

感心しながら頁をめくりました。


いろんな会社

いろんな社食

いろんな厨房

ここがおもしろい。


2011.12.20 Tuesday | comments(0) | trackbacks(0)

最後の家族 / 村上龍(幻冬舎文庫)

 
「村上龍の小説が苦手」

そう話したら 

「いわゆる村上色じゃないのもあるよ」

そう言って友達が貸してくれたのがこれ。


引きこもり男子と

それを囲むよじれた家族と

不安定な現代の物語。


前半はかなり ” 壊れちゃった感 ” 満載で

ちょっとキツいかなー…って雰囲気だったけれど

中盤に差し掛かるあたりで

ぱたぱたぱた。。。と

オセロがひっくり返りだす。


同じ家に住むことや

いっしょに食事をとることが

家族の絆ではなく

本来のそれは もっと別なところにある

…そんなのを

四人家族がそれぞれの方法で

開眼して落ち着く、といった風か。


リアリティがあるようで ないような...

なるほど 村上らしからぬ

妙な明るさと救いがあって わりと驚いた。


「親しい人の自立は、
 その近くにいる人を救うんです。
 ひとりで生きていけるようになること、
 それだけが 誰か親しい人を結果的に救うんです」


終盤 女弁護士に語らせたこのあたりが

本作品のネックなのだろう。

まんまコピーして渡したい輩が

いっぱいいるわい…とか

こっそり思いながら読んだ。(笑)




2011.12.16 Friday | comments(0) | trackbacks(0)

月のうた / 穂高明(ポプラ文庫)

 
妙な言い方かもしれないけど

ポプラ社らしい小説、が

まずの感想。


みんな繊細で

みんな優しくて

みんな切なくて

なにしろみんな

善くも悪くも・・・いいヒトである。


母を亡くした少女の

変化してゆく環境を

3D方式チックに

語り手を変換しながら進める家族物語。



いいお話のように見えるんだけど

しょっぱなから

どうも胡散臭かったお父さんの本音が

最終章ではっきりしてくると

実は周りを振り回してる

情けない男の現実、って気がして


これって・・・どーなの?


と首を傾げてしまうのが実感。




そのヘンも含めて

ポプラ社っぽいかなー。。。                                                                                                                                                                                     

2011.11.25 Friday | comments(0) | trackbacks(0)

風花 / 川上弘美(集英社文庫)

 
「センセイの鞄」がグッと来たので

久しぶりに

川上ワールドをちょっと続けて…と思い

同じく長編ということでセレクト・・・

が、しかし。

どうも 主人公の質感が

どれも似ている。

繊細ではあるけれど

本質が不在のような

計りきれない感じが

少なくとも本書の場合は

裏目に出ている気がする。


展開も含めて

個人的には

つまらなかった。

残念。



2011.11.21 Monday | comments(0) | trackbacks(0)

センセイの鞄 / 川上弘美(新潮文庫)

 
大むかし話題になっていたので

とうに読んでいる気になってたけど

カンチガイだったことにふと気付き

今さらのように拝読。


なるほど、なるほど。


いろんな意味での

「夢物語」。



つつき方はいろいろあるでしょうが

「夢」のせつなさに免じて

ここでは野暮は書かない事にします。


*******

ディズニーランドにも、むろん行った。
夜のパレードを見ながら、センセイは少し泣いた。
わたしも泣いた。
二人で、たぶん、べつべつのことを思いながら、泣いた。

*******


恋というのは

手を取り合って

同じビルに入るようなこと。

ただし二人が

同じ階に立てるかどうかは別問題。

いっしょの建物にいながらも

階数のちがいで

見えてる景色は

独りずつ別々なのだなあ。。。

恋といえども

ヒトはどうしたって

みんな、独りずつでしかない。。。


なんて、ちょっと

おセンチに

哀しみと幸せの振り子が

胸の中でゆらゆらする一冊でした。






2011.11.13 Sunday | comments(0) | trackbacks(0)

インターセックス / 帚木蓬生(集英社文庫)


性別をなにで区別するか

そもそもそれを

誰が決めるのか

男性、女性

どちらか決めた方で

生き切らねばならぬ必要があるのか

そこに前向きな曖昧さは

許されないのか


かなりヘビーなテーマで

なかなかの長編・医療小説。

ずいぶん前に読んだ

このヒトの「閉鎖病棟」も

そのボリューム感が返って

読み応えに比例していた記憶があり

なるほど今作もどんどん引き込まれる。

医学用語が多いながらも

文章もまどろっこしくなく

構成にムダもなく

さくさく読みすすめられる。

文面から次々に

多くの問題が投げかけられるようだ。


ただこれをサスペンス、とすると

その展開・顛末が

2時間TVドラマのようで

ちょっと残念。






2011.11.02 Wednesday | comments(0) | trackbacks(0)

永遠の0/ 百田尚樹(講談社文庫)

 
いやいや。。。

かなり辛かったぞ 読み切るまで。

太平洋戦争の現実を知らされる。

それが辛い。

あまりなことで辛い。


でも 小説として

すごい成立のさせかたをしている。

これがデビュー作だなんて

おどろきだ。

意味のある小説。

日本人として

これが現実であった、と

知っておくべき事実が書かれている。



久しぶりに「読んだ!」と

ココロにずっしり来る。






2011.10.11 Tuesday | comments(0) | trackbacks(0)

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