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死に至る病 / 岡田尊司(光文社文庫)

キェルケゴールの著書と同タイトルと

表紙のクリムトに惹かれて購入。

 

家族機能の不全から発生する

愛着障害という病・現象について。

 

親、特に母親の安定した愛情によって

人は人格が形成される。

逆を言えば それが不在の場合

人格に大きな揺らぎが生じる、という本。

 

太宰治、三島由紀夫、江戸川乱歩、夏目漱石

そして キュルケゴール自身

 

著名な人々の生涯の分析は

興味深かったけれど

後半 現象に対する これからの対応の提案は

ちょっと現実的ではない気もした。

だからこそ 難しい問題なのだけれども。

 

身近と照らし合わせても

腑に落ちる箇所 数々あり

納得できる本でした。

 

2020.01.15 Wednesday | - | --

帰郷 / 浅田次郎(集英社文庫)

評価:
浅田 次郎
集英社
¥ 1,540
(2016-06-24)

 

戦争回顧 6作の短編集。

 

いずれも秀作揃い。

 

中でも表題作品「帰郷」は

まるで映画のように場面が目に浮かぶ。

 

戦争からやっと戻ったら

自分は戦死となっており

葬式もすみ

家族はリセットされ

帰るにも帰る場所などもうない。

 

「どこで 誰と どうやって 生きればいいのだ」

 

本当にいたでしょう。

そうして生き直させられた

多くの人たち。

 

世界が揺らぐ報道が飛び交う昨今。

そうなった時

戦地へ出向きもしない立場の人間が

勝手に戦争を想定してはいけない。

 

この本の中にいる いく人もが

そう伝えている。

 

 

2020.01.11 Saturday | - | --

晩年の子供 / 山田詠美(講談社文庫)

幼い少女の目線で書かれた短編集。

 

小さな ある年代にだけ

見えたり

感じたりした

特有の視点があった。

 

吸い込まれるように

それを深追いすると 

決まって別次元にいる大人たちに叱られ

「あっ」と我に返り 引き戻される。

 

あの記憶の淵に立たされたような本。

 

 

この世の不条理など

深くて重いことを

静かに淡々と描いている。

 

少女ゆえの

無垢な 傲慢さ

素直な 冷酷さ

素朴な 憤り

 

遠い日に体験して通った

気持ちの揺らぎが 蘇るようでした。

 

やはりこの人の本は

美しく 文学である。

 

 

2020.01.11 Saturday | - | --

ファーストクラッシュ / 山田詠美(文藝春秋)

評価:
山田 詠美
文藝春秋
¥ 1,650
(2019-10-30)

亡くなった愛人の息子を

父がある日 連れてきた。

麗らかな3姉妹と母の暮らしに

その日からさざ波が立つ。

 

いかにも 「やったぜ 純文学!」な設定。

そこから詠美節が

ぐんぐん唸るわけですが

今回 ちょっとやり過ぎ感な気も。

そこを狙ったのか否か。

 

粋な結びで ちょっと砕けたけれど

かえってそれすらも

不自然な印象になってしまった。

 

詠美ファンこちらの

気負い過ぎか。

 

もちろん すごいは すごいです。

こんな美しい言葉さばきの人

そうは いない。

 

2019.12.23 Monday | - | trackbacks(0)-

ボダ子 / 赤松利市(新潮社)

 

店頭にて気になり

図書館にて拝借。

硬質で完璧"男タッチ"の本。

予想と全くちがう類で

読み進めるのに大変苦労する。

あまりの救いのなさに

珍しく途中でリタイア。

だから評価なし。

 

買わなくてよかった…。

 

 

2019.12.02 Monday | - | trackbacks(0)-

カゲロボ / 木皿泉(新潮社)

評価:
木皿 泉
新潮社
¥ 1,540
(2019-03-22)

図書館本。

 

強者と弱者。

上と下。

力関係がよじれれれば

影ができて

傷ができて

痛みが生じる。

 

「あるかな」という

人間模様の中で

それを遠くから見守るAIの存在。

 

ちょっとうすら気味悪い世界ながら

どこか 懐かしくて癒しがある

なんとも不思議な短編集。

 

人間に対する

作者の慈悲深さが

じんわりと伝わる一冊でした。

2019.11.27 Wednesday | - | trackbacks(0)-

田村はまだか / 朝倉かすみ(光文社文庫)

タイトル買い。

 

気さくなタイトルに反して

どうも馴染み辛い。

そうか。

記録を辿ったが

朝倉作品 初めてだったようだ。

 

深夜のバーで同窓生男女5人が

「田村」を待っている。

それぞれの身の上話

5つの短編になっている。

 

日常・人間関係

グダグダ でろでろ グズグズ。

まあ 同級生たち

どこでもそんなもんでしょう。

 

ただあまりにダラダラで

活字で追うには ちょいと辛い。

きっと 映画やドラマなら

それぞれのキャラもわかりやすくて

良い気がする。

 

 

 

2019.11.25 Monday | - | trackbacks(0)-

その愛の程度 / 小野寺史宜(講談社文庫)

ちょっと前に読んだ作品の印象が良かったので

http://anmitu-1.jugem.jp/?eid=543

 

別のをトライ。

うむー。

 

同じく男性一人称で書かれており

薄味のキャラがとても似ていた。

 

子供のいるバツイチ年上女性と結婚。

うまくいってると思っていたら

アクシデントが引き金で

離婚を言い渡されてしまう。

しかも ものすごく自己中な理由。

でも 怒らない。

執着しない。

粘らない。

 

飄々と どちらかといえば草食男子系

好感度 高いのだが

角度をかえれば

浅いというか 軽いというか。

「他人事」って態度で

「実は冷たいの?」とすら思えたり…。

 

周りのちゃっかりママたちに

結果 うまいとこ振り回されて

ぽいっとされて

結論 ひとりぼっち。

 

タイトルに重みがある割に

「そうですか?」というまとめ方で

個人的には 残念 が感想。

 

 

 

2019.11.05 Tuesday | - | trackbacks(0)-

リセット / 垣谷美雨(双葉文庫)

評価:
垣谷 美雨
双葉社
¥ 1,800
(2010-12-15)

思わず ”タイトル買い”してしまう垣谷作品。

意識せぬまま 結構読んでいました。

http://anmitu-1.jugem.jp/?search=%B3%C0%C3%AB%C8%FE%B1%AB

 

 

偶然再会した同級生 中年女性3名。

 

すっかり張りを見失った専業主婦

未婚の孤高なキャリアウーマン

十代ドロップアウトでいよいよ行き詰る独り者

 

三者三様の孤独と不満。

引き寄せられて入った飲み屋は

希望の時代へタイムトリップできちゃう

摩訶不思議 空間でした。

選んだのは30年前コース。

一同 リセットなるか、ならないか。

 

 

読みながら思い出す。

そうそう、垣谷ワールドは描写が細かい。

ちょっと書き込みすぎ傾向ながら

展開は面白い。

そして 最終的に人間の底力を信じている。

だから明るい。

元気が出る。

 

あー なかなか面白かったぞ。

 

「もし自分だったら」

 

読者はみんな考えるはず。

リセットするか しないか。

逃避的ではなく

色々 仮説するイマジネーション

この本の一番の面白さは

もしかしたら ここかも。

 

 

 

2019.10.24 Thursday | - | trackbacks(0)-

下北沢について / 吉本ばなな(幻冬舎文庫)

ばななさんの下北在住・思い出エッセイ。

 

すごく いい本だ。

すごく すなおで

すごく やさしい。

 

下北はあたしもとても好きで

”いつか住んでみたかった街”ベスト5の常連。

出てくる店も通りも空気感も

「そうそう、そうなのね」と。

本好きには特に優しくて深い街なのだ。

 

この本の中でいちばん好きだったのは

下北はかつてばななの恋が死亡した街で

しばらく とうてい行ける街ではなかったのに

結局 その後 結婚して出産して

小さな子供と優しい時間を

過ごす街になった、とういうくだり。

 

あんなにも悲しくて、目の前が真っ暗で、

タクシーの中でしくしく泣いて

運転手さんをびびらせ、

遠い街まで帰っていった

ひとりぼっちだったあの日の私に

「そのあと結局あなたは別の人と結婚して

下北沢に住んで、この場所を

子どもと歩くことになるんだよ」って

言ってやりたい。

なんてすてきなんだろう、

人生は、なんていいものなんだろう。

 

ここだよ。ばななの素晴らしさは。

時間薬の効用を

人生のすばらしさと謳える健やかさに

キュンキュンしたのでした。

 

2019.10.11 Friday | - | trackbacks(0)-

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