図書館本。
前情報 ゼロで読み始めるも
意外な作風で人物・設定に慣れるまで
前半 ちょっと大変。
大正〜昭和初期の華族のお話。
夢のように贅沢な華族たちの暮らし。
だからこそ重い「家・一族」の縛り。
どんなに死守しようと
人間が画策したとて
結局は 時代の大きな流れが
過去のこととして飲み込んでいく。
「枯山水」の庭だけが
変わることなく今に残る。
けれどドローンという文明の力で
見え方すらも一新を加えてしまう。
つまらないね 文明なんて。
要らないものだ。
ロマンがない。
小説自体がすごく良いのに
この本、なんで装丁がこれ?
めっちゃ 残念。
]]>「家族」とは なんぞや?
普通に育った女子高生が
想定外の妊娠発覚。
歯車が狂っていく。
その先々で人と繋がり
色々な形の家族・親子を知る。
要らない血の繋がりもあれば
そんなことより深い愛もある。
肝心なのは
立ち上がる強さ。
宇佐美ワールド
いつもながら
前半はかなり苦しい。
後半に向けて
視界がどんどん開けてくる。
現代における
弱者たちのテーマが満載だ。
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謙虚で 愛情深く
正直で ユーモラス
俯瞰ながら 温かい
類まれな環境に
兄妹もなく
ひとりで育った彼女の
深い人間性に目を奪われる。
対談の人選も すごくいい。
父、そして 母が亡くなった時の
自分の中の動揺を思い返し
それから流れた年月を
振り返るような余韻が残った。
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評価:
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「透明な夜の香り」の続編。
http://anmitu-1.jugem.jp/?eid=615
天才調香師の館に雇われた
過去に傷を持つ男子が
揺れながら その先を見つけていくお話。
千早ワールドの原点。
感情に香りがあり
嘘に匂いがある。
そのさきが知りたくて
あっという間に完読。
当然 読後に
「透明な夜の香り」を再読したくなる。
]]>「伊藤比呂美」さん。
名前の字面は拝見したことがありながら
不勉強でこれが初めての作品。
両親・夫・友人知人の
老化と介護・死別にまつわるエッセイ。
びっくりした。
好みにピッタリだ。
本業は詩人だからなのか
文章にリズムがある。
強弱 アクセントがハッキリあって
すごく読みやすい。
余分のない言葉で綴られているが
尚且つ 尚更
どんどん入ってくる。
こういう文章がとても好き。
もちろん内容も
「こういうこと 誰かに言って欲しかった」
ついそう思ってしまう。
ユーモアの中に見え隠れする
愛情の深さが すごく良い。
図書館本でしたが
これ 自分用に買います。
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シンプルだけど 理屈っぽい。
屁理屈っぽいのに 実はストレート。
ど真ん中に見えて カーブだったり。
大きなことから
ささやかなことまで
「あ!」と気付かされる。
”個性的であれ”の トンチンカン
”自分さがし” のナンセンス
したり顔の現代人に
ちょっと耳の痛いお話。
時短で答えを急ぐ
今のスピード感に振り回されず
自ら抜け出さないと。
小さく反省しながら読んだ。
こういう大人の存在は
とても大切。
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評価:
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かなりヘビー級の長編作。
二つの同時誘拐事件。
その発端から
未解決のまま流れた30年。
前情報なしで読み始めるも
登場人物の多さと
目線がどんどん変わっていくので
慣れるまで 結構 しんどい。
けれど先が気になって
投げ出す気にはならず。
辛抱の甲斐あって
後半から巻き返すように
ドッと景色と作品の体温が変わる。
終盤・人間愛の場面では
読んでる場所が駅構内ながら
人目も構わず 泣ける… 泣ける。
最後の最後のページまで
技ありの展開で
本屋大賞ノミネート 納得。
いい本。
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評価:
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大人の事情に翻弄され
瀬戸内海の閉鎖的な離島に
住むことになった少女二人。
彼女たちの儚いけれど 確かな絆。
でも それは ある事件で
ぷっつりカットアウトされる。
やがて成長したのち
運命に呼ばれ 記憶を辿りながら
再生されていく。
アミニズムを支柱に
男尊女卑で構築された
あまりに閉鎖的な島民たちの
村意識がなかなかしんどい。
そこへ楯突くだけではなく
独自の視点を構築しようともがく
真以という少女のひたむきさが眩しい。
一見 破天荒に見える彼女に
少女・葉が惹かれたように
読み進めながら
こちらも心を奪われていく。
その後の彼女たちの人生を
また読みたい気がする一冊。
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乳癌・闘病記の「 くもをさがす 」を基に
さらに掘り下げたような短編小説。
” 書かずにはいられない "
闘病中の特異な体験 強烈な覚醒
何か強い力に突き動かされて
雪崩れ込むように描いている
… そんな印象でした。
どれもこれも
なかなか キツい内容ながら
初っ端と ラストの2作に
グッときました。
西ワールドを読むと
いつも感じるけれど
生命力が漲っている。
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日本画を思わせる
ノスタルジックな表紙が印象的で拝読。
発行からもう10年も経っている。
前情報なしだったが
企画・監修は糸井重里氏。
なるほど。
話題になったんだろうな。
幼少期に遭遇した 同級生の死。
そこから考え続け
未だ「死」のこたえが出ない
死期が近い老人の作家。
その孫は 祖父の死を知った瞬間から
「死」を問うバトンを受け取る。
哲学のような
宗教のような
読後のレビューを見ると
絶賛が多いんだが
そんなにわかりやすいことを
描いてあるとは
とても思なかった… な。
子どもを全然
可愛らしく描いてないところに
リアリティを感じた。
独りぼっちで逆上がりをしている
文字のないページがすごく好き。
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評価:
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月好きの タイトル読み。
月がテーマのポストキャストを軸にして
うまくいかない「今」を
持て余している人々が
小さな繋がりで 気付き
視点を広げていく
連作・短編集。
元気がない時に読むと
気持ちのビタミン剤になりそうな類。
優しい一冊。
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アフガニスタンで尽力された
中村哲先生のドキュメンタリー映画。
とても簡単には言葉にできないほど
強く 揺るぎない 一人の意志が
見違える光景に
その土地を変えていく。
自然を敬う人間の行動には
これほどまでの力があるのだと
目を見張った。
「 今だからこそ 」
できる限りたくさんの人たちが
観るべき映画かと。
老若男女 国籍 関わりなく
地球に暮らす人として。
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「空気を読んで足並みを揃える」
日本人お得意のこれに
重大な危険性が含まれている。
すごくわかりやすく書いてあるので
自分にも思い当たる節が
わかりやすく反応する。
これでは いかん。
面倒でも 億劫でも
「自分はどう感じるか」を
表明する習慣づくりが重要。
残念ながら
これはおおかたの日本人が不得意。
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評価:
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他の千早文学とは
だいぶ違う作風。
戦国時代末期
石見銀山に生きる 男たち・女たちの
壮絶な生き様。
親と逸れた貧しい幼女が
山師に拾われ
銀山で育ち
老婆になるまでの
長い月日の物語。
女子ながら
山猿のように
野性に育っていく
前半が面白い。
もし映画化されたら
どんなキャストがいいか、とか
想像しながら読み進めると
また面白い。
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評価:
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ほぼほぼ 読破しているのだが
「 どうした 千早 」
問いたくなるくらい
不完全燃焼でした。
相手から離婚を突きつけられ
シングルになったアラフォー女子の
揺れながらも未来を見据えて
新たに地固めをしていく物語
… なんだが。
別れ方 出会い方
探し方 始め方
揺れ方 迷い方
みんな中途半端でしっくりこない。
いつもの千早節が空回りする。
ファンゆえ
挽回に期待。
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