Blog
利休にたずねよ / 山本兼一(PHP研究所)
映画の海老蔵イメージが強くて
なんとなく 毛嫌いしてました。
また「読みにくいのでは?」
そんな苦手意識も先行してました。
ところが。
利休・切腹直前の場面から始まる
凝った構成も功を奏し
思ったより 入り込み易い文章でした。
日頃 敷居が高く馴染みのない「茶道」ながら
これを読むと それは意外に
たいへん 人間的。
レアな感情を源としており
作法 ひとつひとつには
合理的な意味合いがあり
さらに その極みとは
花 、器 、間 … それらを含めて
すべて「命」のきらめき という根っこで
繋がっているよう。
だから、この道の達人ということは
つまり生命の強さがある人
ということ・・・なんでしょうか?
言換えれば、表現者の礎こそ
「生命力」ってことかな?
ちょっと 映画も観たい気にもなりましたが
どうかなー。。。どうなんでしょうね?
2014.05.29 Thursday | - | trackbacks(0)-
青天の霹靂 / 劇団ひとり(幻冬舎文庫)
いわゆる ありがちな
「芸能人が書いてみた小説」かな、と
斜に構えて読み始めてみたのですが。
30代半ばの売れない手品師が
ふとしたことからタイム・トリップ。
そこで なんと
若かりし自分の両親と出会う。
そうこうしているうち
自分の出生の秘密を知り
親への感謝を胸に 無事 現代へ戻る … 。
どこを取っても
どこかの なにかで
読んだような
聞いたことがあるような
そんな展開なんだけど。
文章も思ったよりは上手ながら
決して『文学』には なってないんだけど。
何かが いつも 活字の下で光ってる…
そんな文章を書くひとのようです。
たぶん それは
「愛」かな、と 。
人間に対して深い愛があるのが
そこから滲んでいるような…。
それを証明するような
「解説」もなかなかに よい。
ずっと書き続けるのだろうから
10年後くらいが
楽しみな気がする。
2014.05.22 Thursday | - | trackbacks(0)-
神去なあなあ日常 / 三浦しをん(徳間書店)
2014.05.22 Thursday | - | trackbacks(0)-
楽園のカンヴァス / 原田マハ(新潮社)
原田マハを連読しておりますが。
やっぱりすごいな〜 すごいわー。
ほんとにバリエーションが豊か。
今作も 既読の作品たちと全く違っている。
ずいぶん前に読んだ「ダ・ヴィンチコード」を
ふと思い出すような
名画・名画家を題材にした
ミステリー的なエンタメ小説。
アンリ・ルソーの研究者として
世界のトップ二名が
あるクライアントの館へ招かれる。
任務目的は ルソー その作品の
真作・贋作の判定。
紐解く鍵として与えられる一冊の小説。
タイムリミットは7日。
ふたり そして 取り巻く人々の
欲・豪・意地 ・富・策略 etc etc
これらのひとつずつが 渦を作りながら
謎の解明へと誘う。
読み進む間 頻繁に
実在の名画のタイトルが出て来るので
その都度 ネットで画像を確かめながら読んでいると
いつの間にか アートの世界へも
うっすら扉が開かれてゆき
読み終えた時には
それらの実物を
見てみたいような気持ちにすらなる。
美術にあまり精通していないわたしでも
持て余すこと無く読めたのは
無駄の無い筆運びとストーリー展開の技でしょう。
2014.05.14 Wednesday | - | trackbacks(0)-
WOOD JOB 〜神去なあなあ日常〜(映画)
三浦しをん原作、というので
ひょっこり観に行ってみました。
「いる、いる、いるね〜、こういう子」って感じの
「今どき・男子」サンプルみたいな
" 勇気 "という18歳。
大学進学に失敗したのをきっかけに
ひょろっと林業参加の羽目に。
そこは列車とバスを延々乗り継いだ先の
携帯電波も届かない
泣く子も黙る「山奥」「山間」の神去(かむさり)という
林業が根付いた村。(というか「集落」と呼ぶ方が近い)
そこでの研修期間1年が決まってしまった。
現代っ子・勇気にとっては
”あり得な〜い”生活が始まる。
外からのやって来た人々は
いずれもその時代錯誤の不便さに降参して
長くは住み着かない。
ただ そこで生まれ育った者たちにとっては
先祖・代々が守り残した
絶対的な故郷 として在り続けている。
過去から受け継いだものを
未来の子孫に託し残す
そのサイクルを誠実に守り暮らすことこそ
すべての均衡を保つ自然の摂理と
18歳の勇気が学ぶ行程を観ながら
いつの間にか 観客の我々も考えさせられている。
120分を越す長編ながら
まったく飽きさせないスピード感に
コメディ・タッチも加わって
後味のすっきりした一本が完成されている。
未だ読んでいない原作を
観賞後 すぐに手にとったのは
おそらく私だけではないはず。
2014.05.13 Tuesday | - | trackbacks(0)-
海のふた / よしもとばなな(中公文庫)
2014.05.05 Monday | - | trackbacks(0)-
チョコレートドーナッツ (映画)
ラジオで確か…クリス智子さんが絶賛していて。
ずっと気になっていたけど
そんなに話題になってる風でもなかったから
楽勝なつもりで出かけて行ったら
偶然 レディース半額DAY。
アンラッキーにもシート確保ならず立ち見。
「2時間はつらい〜」と
挫折感・満載たっだのだけれど
始まったら そんなのぶっ飛んだ。
観てよかった。ほんとよかった。
彼ら(彼女ら?)の 苦悩と哀しみと怒り。
たとえ その一粒だけでも
知ることができたのは意味深い。
性別を語る前に
まず 「人間」なのだ。
その尊重、で 十分いいはずなのだ。
キャストすべての 名演に拍手。
映画の最後のシーンで歌われる
「I Shall Be Released」に
「歌というもの」の真理を教えられたのは
私だけではないはず。
歌は 旋律の上に
感情という体温を持った " 言葉 " がのって初めて
その命を授かるのだ。
それが 歌の使命なのだ。
2014.05.03 Saturday | - | trackbacks(0)-
キネマの神様 / 原田マハ(文春文庫)
2014.05.01 Thursday | - | trackbacks(0)-
Monthly Archives
- March 2024 (3)
- February 2024 (10)
- January 2024 (9)
- December 2023 (1)
- October 2023 (3)
- September 2023 (1)
- August 2023 (3)
- June 2023 (1)
- May 2023 (1)
- April 2023 (2)
- February 2023 (3)
- December 2022 (1)
- October 2022 (1)
- September 2022 (1)
- August 2022 (2)
- July 2022 (4)
- June 2022 (3)
- May 2022 (4)
- April 2022 (2)
- March 2022 (3)
- February 2022 (3)
- January 2022 (2)
- December 2021 (2)
- November 2021 (2)
- October 2021 (3)
- September 2021 (4)
- August 2021 (4)
- July 2021 (4)
- June 2021 (2)
- March 2021 (1)
- February 2021 (4)
- January 2021 (1)
- December 2020 (3)
- November 2020 (1)
- October 2020 (1)
- September 2020 (2)
- July 2020 (2)
- June 2020 (1)
- April 2020 (2)
- March 2020 (3)
- February 2020 (3)
- January 2020 (4)
- December 2019 (2)
- November 2019 (3)
- October 2019 (3)
- September 2019 (6)
- August 2019 (2)
- July 2019 (2)
- June 2019 (7)
- May 2019 (5)
- April 2019 (3)
- March 2019 (7)
- February 2019 (4)
- January 2019 (5)
- December 2018 (2)
- November 2018 (4)
- September 2018 (6)
- August 2018 (5)
- July 2018 (1)
- June 2018 (1)
- May 2018 (7)
- April 2018 (3)
- March 2018 (3)
- February 2018 (4)
- January 2018 (4)
- December 2017 (5)
- October 2017 (5)
- August 2017 (2)
- July 2017 (4)
- June 2017 (3)
- May 2017 (5)
- April 2017 (5)
- March 2017 (3)
- February 2017 (4)
- January 2017 (8)
- December 2016 (3)
- October 2016 (4)
- September 2016 (2)
- August 2016 (2)
- July 2016 (3)
- June 2016 (6)
- May 2016 (11)
- April 2016 (2)
- March 2016 (6)
- February 2016 (2)
- December 2015 (1)
- November 2015 (4)
- October 2015 (3)
- August 2015 (1)
- July 2015 (1)
- June 2015 (3)
- May 2015 (2)
- March 2015 (2)
- February 2015 (5)
- January 2015 (1)
- December 2014 (1)
- October 2014 (2)
- September 2014 (2)
- August 2014 (4)
- July 2014 (6)
- June 2014 (11)
- May 2014 (8)
- April 2014 (3)
- March 2014 (5)
- February 2014 (1)
- January 2014 (4)
- October 2013 (3)
- September 2013 (3)
- August 2013 (4)
- April 2013 (3)
- March 2013 (2)
- February 2013 (1)
- January 2013 (6)
- December 2012 (4)
- November 2012 (2)
- October 2012 (2)
- September 2012 (4)
- August 2012 (2)
- July 2012 (2)
- June 2012 (2)
- May 2012 (3)
- April 2012 (5)
- March 2012 (10)
- February 2012 (3)
- January 2012 (4)
- December 2011 (2)
- November 2011 (4)
- October 2011 (1)
- September 2011 (4)
- August 2011 (14)
- June 2011 (4)
- May 2011 (5)
- April 2011 (2)
- March 2011 (5)
- February 2011 (2)
- November 2010 (2)
- October 2010 (1)
- August 2010 (4)
- July 2010 (6)
- June 2010 (4)
- May 2010 (4)
- April 2010 (3)
- March 2010 (11)
- February 2010 (6)
- January 2010 (7)
- December 2009 (3)
- November 2009 (3)
- October 2009 (6)
- September 2009 (10)
- August 2009 (9)
- July 2009 (7)
- June 2009 (8)
- May 2009 (9)
- April 2009 (4)
- March 2009 (8)
- February 2009 (8)
- January 2009 (12)
- December 2008 (14)
- November 2008 (6)
- October 2008 (9)
- September 2008 (6)
- August 2008 (6)
- July 2008 (1)
- June 2008 (3)
- May 2008 (2)
- April 2008 (4)
- March 2008 (8)
- February 2008 (13)
- January 2008 (1)
Selected Entries
- 利休にたずねよ / 山本兼一(PHP研究所) (05/29)
- 青天の霹靂 / 劇団ひとり(幻冬舎文庫) (05/22)
- 神去なあなあ日常 / 三浦しをん(徳間書店) (05/22)
- 楽園のカンヴァス / 原田マハ(新潮社) (05/14)
- WOOD JOB 〜神去なあなあ日常〜(映画) (05/13)
- 海のふた / よしもとばなな(中公文庫) (05/05)
- チョコレートドーナッツ (映画) (05/03)
- キネマの神様 / 原田マハ(文春文庫) (05/01)
Recent Comments
- しずかな日々 / 椰月美智子(講談社文庫)
⇒ 本が好き!運営担当 (12/12) - しずかな日々 / 椰月美智子(講談社文庫)
⇒ 藍色 (09/21) - 桐畑家の縁談 / 中島京子(集英社文庫)
⇒ 藍色 (09/10) - マルコの夢 / 栗田有起(集英社文庫)
⇒ 藍色 (08/26) - 夏と花火と私の死体 / 乙一(集英社文庫)
⇒ な (04/28) - 夏と花火と私の死体 / 乙一(集英社文庫)
⇒ ヤーマン (04/28) - 八月の路上に捨てる / 伊藤たかみ(文藝春秋)
⇒ 藍色 (03/31)
Recent Trackback
- ざらざら / 川上弘美(新潮文庫)
⇒ BooksB1 (06/18) - しずかな日々 / 椰月美智子(講談社文庫)
⇒ 粋な提案 (09/21) - 桐畑家の縁談 / 中島京子(集英社文庫)
⇒ 粋な提案 (09/10) - マルコの夢 / 栗田有起(集英社文庫)
⇒ 粋な提案 (08/26) - 八月の路上に捨てる / 伊藤たかみ(文藝春秋)
⇒ 粋な提案 (03/31)